SOPAとPROTECT IP法を巡る議論が拡大しているみたい。
Stanford Law Review、といったらきっと法律専門家の雑誌なんだろう、そこにSOPAに反対する論文が載ったというニュース。
著作権侵害対策法がインターネットを粉砕、合衆国憲法 - 弁護士~三教授がDNS災害を警告(The Register) | ScanNetSecurity (国際、TheRegisterのニュース)
元論文のリンク:
Don't Break the Internet - Stanford Law Review
最初に概要が書いてあるけど、これが意味が分からない。
Stanford Law Reviewに掲載された小論で、Mark Lemley教授、David Levine教授およびDavid Post教授は、これらの法案は既存のDNSシステムに代わるものを見いだそうとしている人々にDNSSECの実装における大きな技術的問題を課すことになり、証拠も審問さえも無く、単に申し立てに基づいて、公にされている意見の完全なる弾圧を許可することにより、自由な表現の権利を踏みつけにさせると警告している。
原文を見てみたら、単なる誤訳じゃないか。
Anti-piracy laws will smash internet, US constitution - legal eagles . The Register
In an essay published in the Stanford Law Review professors Mark Lemley, David Levine and David Post warned that the overarching reach of the legislation would cause people to seek alternatives to the existing DNS system, manufacture massive technical problems in the implementation of DNSSEC and trample over rights of free expression by allowing the total suppression of published opinion based on allegations without proof, or even a hearing.
the overarching reachはどこかに行っちゃってるし、文章の構造を間違えている。
Stanford Law Reviewに掲載された小論で、Mark Lemley教授、David Levine教授およびDavid Post教授は、この法案の広範な影響範囲は、
- 人々にDNSに代わる技術を探させることになり、
- DNSSECの実装においてたくさんの技術的問題を作り出し、そして
- 証拠も審問さえも無く、単に申し立てに基づいて、公にされている意見の完全なる弾圧を許可することにより、自由な表現の権利を踏みつけにさせる、
と警告している。
ということでしょう。
若干専門的な話だし、まあ多少違っててもいいけど、文章の意味が通る程度にはごまかしてほしいな。
しかしこの翻訳記事は、題名もヘン。
著作権侵害対策法がインターネットを粉砕、合衆国憲法 - 弁護士~三教授がDNS災害を警告
機械翻訳かと思ったら、署名があった。
(翻訳:中野恵美子)
略歴:翻訳者・ライター
で、しかも、翻訳文は最後まで読めない。
※本記事は有料版に全文を掲載します
原文記事は無料で全部読めるのに。
意味が通らない訳文は有料なのか。
まあそんなことは置いといて。
DNSに代わる技術、というのは既にDeSopaプラグインという形で現れている、といえるんだろう。
SOPA法案によるDNSブロックをくぐり抜けるためのアドオン「DeSopa」 : ライフハッカー[日本版] - けにあmemo
次にDNSSECについては...元論文にはDNSSECは出て来てないんだな。
記事の後のほうで参照されている別の記事に関連内容があった。
Boffins: SOPA breaks DNSSEC, and won't work anyway . The Register
DNSSECはエンド間でのDNS応答の正しさを証明しようとするのに対し、中間でDNS通信を操作しようとする規制は整合しない、という趣旨みたい。
日本では、既に春から児童ポルノ対策としてのDNSブロッキングが始まっているけど。
これは、どこかで知らない間に決まったことを有無をいわさずやらされた、というようなことも聞いた。
安心ネットづくり促進協議会のガイドラインを見ると、
2010 年7 月の犯罪対策閣僚会議において策定された児童ポルノ排除総合対策において、「児童ポルノ掲載アドレスリストの迅速な作成・提供等実効性のあるブロッキングの自主的導入に向けた環境整備」「ISP による実効性のあるブロッキングの自主的導入の促進」が盛り込まれ
とある。
DNS ブロッキングによる児童ポルノ対策ガイドライン
2011 年4 月28 日
安心ネットづくり促進協議会
調査企画委員会 児童ポルノ対策作業部会
ISP 技術者サブワーキンググループ
閣僚会議でこんな事キメるんだ、すごいなと思って探してみた。
あったよ、ホントだ。
児童ポルノ排除総合対策
平成22年7月
犯罪対策閣僚会議
この中には、次のような記述があった。
このようなブロッキングについて、インターネット利用者の通信の秘密や表現の自由に不当な影響を及ぼさない運用に配慮しつつ、平成22年度中を目途にISP等の関連事業者が自主的に実施することが可能となるよう、下記の対策を講ずる(警察庁、総務省、内閣官房、内閣府、経済産業省)
対策、というのは3点あって、
ⅰ アドレスリストの迅速な作成・提供等実効性のあるブロッキングの自主的導
入に向けた環境整備
ⅱ ISPによる実効性のあるブロッキングの自主的導入の促進
ⅲ 一般ユーザーに対する広報・啓発
これで「の通信の秘密や表現の自由に不当な影響を及ぼさない」対策になるとは思えないけど。
どういう議論があってこんなことが決まったんだろうか。
SOPA法案の行方によっては、こっちにも影響が及んでくるかもしれない。
日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか
山田 奨治 (著)
内容(「BOOK」データベースより)
いつの間にか、とんでもないことになっていた!急速に厳罰化する日本の著作権法、その変容の経緯と関わる人びとの思惑を丁寧に追い、現状に介入する痛快作。
単行本: 228ページ
出版社: 人文書院 (2011/9/15)
言語 日本語
ISBN-10: 4409240927