素晴らしい本を読んだ。
河北新報社は、仙台に本社を置く新聞社。
その新聞社が震災当日、その後の1~2ヶ月ほどで体験したことを本にしたもの。
地震が襲った時の様子、同日に号外を出すまでのドキュメントから始まって、その後の取材、編集、輸送、配達、社内支援など色々な場面の困難や成果が次々と提示される。
被災各地や後方支援拠点などの地理的広がりに、時間が経過して全国紙やTVが取り上げなくなる頃までの時間軸を加えた四次元で大震災時の状況が再現されるだけでも、釘付けになったように読んだ。
さらに、社長以下、各部署の人たちが実名で登場し、感じたことや悩んだことが克明に記されている。
被災現場の惨状、取材活動の困難、被災者との感情のぶつかり、新聞の意味と価値、原発の取材、など。
記者が取材で避難所に自社の新聞を持って行くと、被災者が我先に手にとって読もうとする。
それを見て自分の仕事の価値を認識するなんて。
仕事の中でそんな幸せな経験をすることは、そう無いだろうな。
いや、状況は全然幸せじゃなかったわけだけど。
事実、非常事態が長引くに連れて記者の皆さんが疲弊していったことも書かれている。
この未曽有の大災害における、新聞社の中を描いたドキュメント。
素晴らしい本を読めてよかった。
電車の中で泣きそうになって困った。
世の中、それでなくても紙のメディアは存亡の危機だろうに、さぞ大変だろう。
不幸中の幸いで地域とのつながりとそれによる地域新聞の価値を確認できたみたいなので、ぜひこれからも頑張って欲しい。
見ると、ネットメディアの活用も進めているみたい。
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ボランティア募集がブログ記事に載ったりしている。
地域と新聞、ネットがつながって、続いていくと、いいなあ。
河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙
河北新報社 (著)
内容紹介
肉親を喪いながらも取材を続けた総局長、殉職した販売店主、倒壊した組版システム、被災者から浴びた罵声、避難所から出勤する記者。
単行本: 272ページ
出版社: 文藝春秋 (2011/10/27)
ISBN-13: 978-4163744704

