言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか (中公新書)
酒井 邦嘉 (著)
言語というものの仕組みを解き明かそう、というテーマの本。
ただし筆者は、解き明かすことよりも、言語を操る能力が人間独特のものであり、従って人間は他の生物とはまったく異なるということを証明しようとしているらしい。
そしてそのためには、人間が先天的に言語能力を備えているのでないと辻褄が合わなくなる。 最近の研究成果だと、文法能力は生得的(先天的)に備わっているということらしい。 人間は生まれながらに言語の文法能力を「獲得」しており、だからこそきわめて多様な、でも似たような言語が人間社会に存在する。
幼児は類推などの一般的な認知能力が未熟であり、学校で教わるような明示的な文法の知識を学習するわけでもないのに、四歳ごろには母語を巧みに操れるようになる。
外国語習得についても触れられていて、文法能力が優れているかどうかが、習得の鍵だという。
外国語が達者の人は、必ずしも一般の記憶力がよいとは限らない。むしろ、このような無意識的な文法を「無意識的」にそのまま覚えられるようなセンスのよさが大事なのであろう。
4ヶ国語とか、もっとたくさんの言葉をしゃべる人がいるけど、一度そういう文法の体得のコツをつかむと、応用できるんだろうな。
とても面白かった。

Leave a comment