カッコウはコンピュータに卵を産む Clifford Stoll

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元祖ハッカー小説ともいうべき本を10年以上ぶり(たぶん)に読み返したら、これが面白い。ぜんぜん古くない。コンピュータやネットワーク事情はもちろんまったく違うけど。ひと騒ぎ終わって作者の漏らす感想が、現在に当てはまりすぎてて怖いくらい。
1989年といえば、インターネットは学術系中心でやっと自分も電子メールを使い始めたころ。そんな時代に、こんな体験をしてこんなことを考えていた人がいたなんて、想像を絶する。
おそらく、最初に読んだ時は意味が実感できてなかったんだろうな。そんな世界もあるんだ、という程度の感想だった気がする。それが今読むと、ここで起こったことの重大さがよくわかる。
翻訳も良い。

カッコウはコンピュータに卵を産む〈上〉
クリフォード・ストール (著), 池 央耿 (翻訳), Clifford Stoll

単行本: 上 302ページ 下 293ページ
出版社: 草思社 (1991/09) 原作:1989年

この体験を通して、社会全体がコンピュータに依存している現代では、もはや政治に右も左も無いことを知るにいたった。 保守派は国家機密を守るためにコンピュータは絶対安全でなくてはならないと言う。

人を見たら泥棒と思う必要のない黄金自体に生きられたらどんなにいいだろう。 すぐれて有能なプログラマーは他人のプライバシーを尊重し、コンピュータに錠のいらない社会は実現できないものだろうか。

コンピュータやネットワークの機密保護は、もちろん、いくらでも厳重にすることができる。 部外者が容易に入りこめないシステムを作ることも可能である。ただ、それをするとコンピュータは使い勝手が悪くなり、ユーザーに敬遠される恐れがないとはいえない。おまけに処理が遅くなる。経費もかさむ。そうでなくてもコンピュータ通信は高いものにつくのだ。そこえもってきて情報の暗号化だの煩雑なユーザーの身元確認手続きなどが加われば事情はますます悪くなるばかりである。





 

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