双生児 / 江戸川 乱歩 (著)
乱歩は面白いなあ。久しぶりに読んでみたら意外と全て読んだことが無かったかも。
そういえば昔(20年くらい前?)、乱歩の作品は差別用語が多すぎて出版できないのがたくさんあるって聞いたことがあるけど、しばらくこの辺の作品からは隔離されてたってことか。
知り合いの奥さんに惹かれてだんだん仲良しになっちゃったりするのがパターンだけど、どぎつい描写は全然無いけどどきどきしちゃう。
しかもソレが耽美入った犯罪が進む中でやってくれるから堪りませんな。
解説も、昔の全集から乱歩のコメントが引用されてて面白い。
双生児 角川ホラー文庫
江戸川 乱歩 (著) (Amazon)
文庫: 379 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 角川書店 ; ISBN: 4041053226 ; (1999/08)
内容(「BOOK」データベースより)
その二人の男たちは皮膚の皺の寄り方すら寸分違わなかった…。双生児として宿命を授かった男が考えに考え抜いた完全犯罪。自意識を保ちながら他人に成り変わる快楽。―女と金と名声の果てに出現した甘美な陥穽とは?乱歩初期小品である表題作「双生児」他、「一人二役」ものを中心に五編収録。
・双生児―ある死刑囚が教誨師にうちあけた話
オープニングとしては入りやすくて良い感じ。
・一人二役
自分で他人に成りすまし、妻の寝床に夜這いをかける。意外とあっさり。
・ぺてん師と空気男
とても良い。プラクティカル・ジョークのはなしから入ってだんだん深入りしていくのが、痺れた。
美耶子 - ジョーカー伊東の細君:"惚れると、女はいつも「謎」になるものだ。"
・百面相役者
箸休めで軽い小話。
・一寸法師
これは知ってる、と思ったら違った。それは「踊る一寸法師」か。あれも凄かったけど、これもイケてますね。
ずっぽり堪能。冒頭の浅草公園近辺の描写からもう妖しくて、良いねえ。
明智小五郎、小林紋三、山野夫人の百合子。
小林ってのが小林少年の原型なんだね。
「踊る一寸法師」は「いま、危険な愛に目覚めて 集英社文庫 栗本 薫」に入っているのを読んだけど、乱歩の短編集ではヒットしないなあ。過激すぎるのかなあ。

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