1930年代に、チェコの人がこんな空想小説を書くなんて。
山椒魚が知性を持ったら、と、アイディア一発ぽく始まる小説だけど。スラップスティックなまでにそれを利用する人間世界を暴走させて、でもほんとは欲と戦争で馬鹿ばっかりやってる人間を揶揄するのが目的でした、ということね。山椒魚がだんだん不気味に感じられてくるけどなかなか爆発しないのが、ホラーみたい。それでも徹底して穏やかな調子で進行していって、こけおどしなんかない。読み終わってほんわかした気分さえあるんだけど、でもちゃんと考えなさいね、ていうのが大人だなあ。
すごく面白くて、さらにこの時代に、てのがすごすぎた。なにしろ太平洋戦争が始まる前だもんな。しっかり読み直そうと思ったら、かなり体力がいりそう。
Amazon.co.jp:本: 山椒魚戦争ハヤカワ文庫SF
書籍データ
文庫: 502 p ; サイズ(cm): 15 x 11
出版社: 早川書房 ; ISBN: 4150112525 ; (1998/12)
レビュー
内容(「BOOK」データベースより)
赤道直下の島の入江には黒々とした不思議な生物が棲んでいた。現地では山椒魚に似た姿から、魔物と怖れられていたかれらだったが、じつは高い知能をそなえていたのだ。自然の中で生きる無垢な山椒魚が現代文明と出会ったとき、その内面に生じた重大な変化とは?チェコが生んだ偉大な文学者カレル・チャペックが、人間社会と山椒魚の出会いを通じて人類の本質的な愚かさを鋭く描き、現代SFの礎となった名作。改訳決定版。

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