ちょっとコワい話:鈴が森処刑場跡にて

ある夏の事です。
僕の仕事場は24時間ローテーションで、終わる時間は毎日一定の決まった時間ではなく、とても不規則なのです。その日も仕事が終わったのは午前1時を少し回った頃でした。
その頃、僕の回りでは霊スポットめぐりが流行していて、そのたぐいの本を買って来ては現地に出向き夏の夜の一つの風物詩と言う感じで楽しんでました。


その日は職場から近いと言う事もあり、品川区にある鈴ヶ森処刑場跡に行って見ようと同僚を誘いました。職場からは車なら20分ほどで着く道のりです。現地に着き跡地の真横に車を止め、「ここがそうだ」「うぁー怖えー」等と言いながら5分ばかり経った頃でしょうか。

車の停まっている前の左の道から坊主2人が「ワイワイガヤガヤ」と話しながら近づいて来て車の前を横ぎったのです。
「何だ坊さん酒飲んでゴキゲンだなあ」と思いましたが、夏でエアコンをかけているのでエンジンはかかったまま、そして窓は全て閉め切っているので、外の話し声が聞こえる事自体おかしいのですが、はっきりと聞こえてくるのです。しかもその内容がまったく理解できないお経のような感じなのです。

坊主が車の横を通り過ぎたので目で追いかけるようにバックミラーを見たのですが、確かに車の横を通っていったにもかかわらずバックミラーに姿が映らないのです。まさに「でたぁ」という感じでした。処刑場の裏はといえば小さなお寺になっているので、そこに行ったに違いないと一人で車を降り恐る恐る見に行きましたが、お寺は電気がすべて消えていて真っ暗で人の気配はまったくありません。


余りの怖さに車にすぐに戻ったのですが、エアコンをかけた状態のまま出たにもかかわらずエアコンが切れてエンジンも止まっているのです。
そしてさっきまで盛り上がっていた同僚も助手席で眠り込んでいるのです。
酒を飲んでいた訳でもないのにどんなに起しても起きないのです。

この場はまずいと感じたので車のエンジンをかけて出そうとした瞬間、木の枝でも折れるかのようにキーが根元からポキンと折れてしまいました。
まるで僕をこの場から行かせないように……


スペアキーは持ってはいたのですが、根元から折れてしまったキーはとても指で引き抜ける物ではありません。 仕方が無いので携帯で仕事場に連絡を取り、頼み込んでペンチの先端が細いタイプのものを持って来てもらいました。 折れたキーのほんの少し出ている所を挟み込んで何とか引き抜く事ができ、スペアキーを差し込むと何事も無かったかのようにエンジンがかかりました。

でも皆さん、良く考えて下さい。あの、車のキーが折れる事なんてあると思います?
きっと我々では想像のつかない何らかの力が働いたのでしょう。
それ以来、あの場所へは近づいていません。

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